男性の尿漏れは加齢と共に誰にでも起こることです

尿漏れは男性にも起こります。
ですが、女性の尿漏れほど認知度は高くなく、親しい友人同士でも相談しづらいデリケートな内容の為に、1人で悩んでいる人も多いようです。

実は、尿漏れは40代以上の男性であれば誰にでも起こりうる自然な事です。

声変わりやヒゲが生えるのと同じく、加齢とともに訪れる変化ですので、決して恥ずかしがることはありません。

自覚している症状があっても、恥ずかしさから率先して病院へ相談に行く方もあまり多くはありません。ですが、男性の場合は前立腺肥大が原因となっている場合もあります。

前立腺肥大であっても治療が必要なものは全体の約1/4程度と言われており、尿漏れ防止のトレーニングで尿漏れが改善するケースも多々あります。

いつかは付き合うことになる尿漏れについて、今知っておくことが後の安心になりますから、男性の尿漏れについて正しく理解しましょう。

1.尿漏れは男性ならではの「尿道の長さ」や「前立腺肥大」も要因
2.尿漏れは男性では40代でも30%、50代では半数が尿漏れに悩んでいます
3.男性ならではの尿漏れの悩みで「生活の質」が悪化してしまうことも
4.尿漏れが心配な男性が今日から出来るトレーニングと排尿後のケア
5.尿漏れケア用品は男性用のものもあります

1.尿漏れは男性ならではの「尿道の長さ」や「前立腺肥大」も要因

男性女性ともに加齢による中枢神経の衰えや骨盤底筋(こつばんていきん)の緩みが原因となり尿漏れを引き起こす場合があります。
女性では妊娠・出産という女性特有の尿漏れの原因がありますが、男性の場合はどのような事が尿漏れの原因となっているのでしょうか?

男性特有の尿漏れの要因は下記の2つです。

尿道の長さ

男性は女性にくらべて尿道が長く約15cm程の長さがあります。
尿道自体もカーブする部分もあり、排尿後に尿道に残った尿が流れ出てくる排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)の要因となっています。

前立腺肥大

前立腺肥大症は50代・60代の男性の約半数がかかる病気です。
前立腺肥大症は前立腺の内部が大きくなる病気で、肥大した前立腺が尿道を圧迫して切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)や頻尿などの様々な排尿トラブルを引き起こします。

このような男性の体の特徴に起因しているものの他に、男女ともに尿漏れの原因と為り得るものに「メタボリックシンドローム」があります。

メタボリックシンドロームにより血流が悪化すると神経や筋肉の衰えが加速して、結果として尿漏れにつながってしまうことがあります。

尿漏れは加齢とともに訪れるものですが、いつ頃から尿漏れの症状がでるものなのでしょうか?

「尿漏れは高齢者にならないと起こらない」とイメージされている方も多いかも知れません。確かに70歳以上の高齢者では前立腺肥大症にかかる方が6割以上にものぼりますので、それに伴う尿漏れの症状が出る割合は高くなります。

ですが、尿漏れの症状をのある男性は50代では50%以上、40代でも30%が尿漏れ症状あると言います。
継続的ではない尿漏れの経験に限って言えば、20代でも85%の男性が「排尿後尿滴下」の経験しています。

この様に、尿漏れは特別なことではなく、誰にでも起こることです。
起こる時期に個人差はありますが、30代・40代の比較的若い年齢でも起こりえますので、誰にも相談できずに1人で悩まないで、悩んでしまったら専門の病院へ相談しましょう。

専門病院には同じく尿漏れに悩む人達がおり、その悩みを解決する専門の医師やスタッフがいますから、何も心配することはありません。

まずは専門医に相談するという事が尿漏れの悩みを解決するはじめの一歩です。

尿漏れが直接命に関わることはありませんが、トイレの心配や尿漏れによる衣服のシミ、尿漏れの臭いなどが心配で、十分に生活を楽しめなくなることがあります。

仕事での長い会議に不安を覚えたり、趣味の映画も2時間を超えるような映画は途中でトイレに立つことを考えて行きづらくなったり。
そもそもトイレが少ないアウトドアの趣味から遠ざかってしまったり。
夜中にトイレに起きたり、布団への尿漏れを心配して楽しみの晩酌も控えめになるという方もいらっしゃいます。

このように、尿漏れの心配により仕事や趣味にも集中できなくなってしまい「生活の質」が低下してしまうということが多くあります。

実生活での行動が制限されてしまうことの他にも、「尿漏れ」に対するネガティブなイメージが、尿漏れの症状がある男性の自信の低下につながるケースも多く見られます。

尿漏れの主な原因である筋肉や神経の衰えを改善すれば、尿漏れも改善が期待できます。

骨盤底筋トレーニング

1.床に仰向けに寝転がり足を肩幅くらいに開いて膝を立てます。
2.その状態で肛門と尿道のあたりをキュッと力を入れるように引き締めます。
3.そのまま5秒キープします。キープできたらリラックスした状態に戻します。
4.50秒ほどリラックスした状態をキープします。

この2~4を1セットとし、最初は5セットから、慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。

このトレーニングにより骨盤底筋を鍛えることが出来るので、尿意を催してからトイレで排尿するまでの間の「切迫性尿失禁」による尿漏れを予防することが出来るようになります。

メタボリックシンドローム対策

メタボ改善には運動と食事が有効です。

運動

理想的には、朝の散歩やお風呂上がりのストレッチなどの、10分程度の運動を3回以上行うことと、水泳やウォーキングなどの30分以上の持続的な有酸素運動が推奨されていますが、すぐに無理してすべて行う必要はありませんので始められるところから無理なく始めましょう。

食事

1日3食のバランスのよい食事
特に野菜や海藻を350g以上摂取することが大切です。
油分と塩分を控えめした食事を心がけましょう。
こちらもすぐに生活習慣をかえることは難しいですから、徐々に慣らしてゆくのが長続きのコツです。

食事の中でも食べる物ではなく「食べ方」にも気をつけましょう。
実は、早食いの人はBMIが高くなる傾向にあり、同じ食事でも早く食べる方はメタボになりやすいという事がわかってきています。
「よく噛んで食べる」ということは良く言われますが、噛む回数に意識が行ってしまうようでしたら「グルメになる」ということを意識していただければ良いでしょう。

「この煮物は何の出汁で煮たんだろう?」
「ドレッシングにはバルサミコ酢を使っているのかな?」
「チキンソテーの香辛料はコショウとクミンと、後はなんだろう?」
という風に、どんな素材がどの様に調理されているかを考えながら食べて、グルメになっていただければ、楽しんで味わいながらゆっくり食べることが出来るようになるでしょう。

排尿後のケア「ミルキング」

ミルキングという排尿後の簡単なケアで、尿道に残ってしまった尿を絞り出す事ができます。

方法は排尿後の尿道を下から指で直接押して尿をしぼり出します。

物理的に尿を押し出して排出してしまうので、ズボンを上げたあとにチョロチョロ出てくる排尿後尿滴下による尿漏れを防ぐことが出来ます。

尿漏れ防止のトレーニングや排尿後のケアの他、日々の生活の中での尿漏れで困っている方には「男性用尿漏れケア用品」をお勧めします。

女性用の尿漏れケア用品は知られていますが、男性用の尿漏れケア用品も実は豊富にあり、使用シーンや尿漏れの量に合わせてお選びいただけます。

尿漏れは誰にでも起こることですが、ネガティブなイメージが強いものでもあります。

人生を歩み歳を重ねてゆく過程で、筋肉も神経も若い頃に比べると誰しも衰えてゆきます。その中で尿漏れという体の変化が現れることは自然なことですが、尿漏れは自然には治りません。

ですがトレーニングや生活習慣を変えることにより改善するものでもあります。
サポートしてくれる専門医や医療スタッフ、尿漏れケア用品も豊富にありますから、何も心配する必要はありません。